マングローブの生理現象においても、概日リズムによる制御が重要な役割を果たしていることが予想されるが、マングローブの分布域である潮間帯は月の公転運動による潮汐作用により、常に概日リズムとずれた異なるリズムで湛水ストレスに曝されている。そこで本研究では、沖縄県西表島のマングローブ樹種を研究材料とし、潮汐リズムで変動する水環境に生育する主要なマングローブ樹木の生理現象と概日リズムとの関係を明らかにするために、潮汐リズム環境下で生育したマングローブの遺伝子発現解析を行った。その結果、時計中核振動子のリズムは湛水状態の違いによってリセットされることはなく、概日リズムに支配されていることが推察された。
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