マウスの結腸がん細胞(Colon26)を用いて,このがん細胞のマウスへの定着を抑制する物質を探した。マウス結腸がん細胞にはLuciferase 遺伝子を組込んでおり,マウス体内においてがん細胞が生存・増殖した場合,外部から基質(luciferin)を注入すると,専用のカメラにより捉えることができる。抑制物質の候補として,蚊の唾液腺,ヒルの唾液成分,ヒルのもつ抗凝固物質ヒルジン,ヘパリン,アスピリンなどを用いた。実験によっては腫瘍抑制傾向を認めたこともあったが,繰り返し実験を行なうと再現性がなかった。すなわち研究期間中に腫瘍抑制効果のある物質を見つけ出すことはできなかった。
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