本研究課題では、実際の検視業務に導入可能な死体トレースデバイスの開発を目指し、直腸温を5点同時に測定し、リアルタイムモニタリングが可能なデバイスを試作した。無線機能を導入することで即時性を実現したが、実務で利用可能な水準には達しなかった。 温度、位置、写真情報等を組み合わせたモデルの移動実験では、温度降下の様子がモデルの位置と同時に地図上に表示され、遺体収容から剖検までの過程を再現することが可能であることが示された。今回開発したデバイスはより信頼性の高い死後経過時間推定と証拠保持に有用であることが示唆される。
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