研究課題/領域番号 |
23659453
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河原 行郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授(常勤) (80542563)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 脳神経疾患 / RNA / 筋萎縮性側索硬化症 / 痴呆 / 遺伝子 |
研究概要 |
ALSの病因となるウイルスの探索を目指し、ALS脊髄に由来するRNAを用いたdeep sequence用のライブラーの樹立方法を検討した。ライブラリー作成にあたって、total RNAの大部分を占めるリボソームRNAを効率的に除去する必要がある。このため、はじめに培養細胞由来のtotal RNAを用いて手法の確立を行った。この結果、95%以上のリボソームRNAを除去できるようになった。さらに、RNAIIIを用いてRNAをランダムに断片化し、ゲルに電気泳動後、100~200塩基の断片を分離した。その後、断片化したRNAの両端に異なるアダプターを付加し、方向性が認識できるようなったので、このRNAを用いてRT-PCRを行い、deep sequence可能なPCR産物を作製できるようになった。このため、倫理委員会の承認を得て、凍結保存されているALS剖検脊髄組織からtotal RNAを抽出し、リボソームRNA除去後、同様のステップを経て、シーケンス可能なPCR産物を作製した。今後、実際にdeep sequenceを行い、ウイルス配列の探索を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、本来deep sequenceを行って、ウイルス配列の探索まで行う予定であった。しかしながら、sequenceに必要なライブラーの樹立方法を確立するのに予想以上の時間を要したため、sequenceまで至らなかった。現在はsequence可能なライブラリーをすでに作成しているので、遅れを取り戻し、期間内に研究計画を達成できると考える。
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今後の研究の推進方策 |
貴重なALS剖検脊髄組織を用いて、ウイルス由来のRNA断片を同定するためには、total RNAを回収後、その大半を占めるミトコンドリア由来のRNAを除去する必要がある。このため、培養細胞を用いてミトコンドリアRNAを除去し、deep sequence可能なライブラリー作成手法を確立した。来年度は実際にALS剖検脊髄組織を用いて作成したライブラリーを用いて、シーケンスを行う。その後、ヒトゲノムデータベースにある配列情報と比較し、完全に一致するものを除去する。次にヒトゲノムに一致しなかったデータの中から、ウイルス由来と考えられるRNA断片が存在するかどうかを探索する。
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次年度の研究費の使用計画 |
deep sequenceは一回10万円を予定している。その後のバイオインフォマティクス解析は、高度な解析については専門業者に委託する計画をしており、これに50万円を予定している。研究成果を発表するため、学会発表費用として10万円を計上している。
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