研究課題/領域番号 |
23659752
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
羽渕 友則 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00293861)
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研究分担者 |
大山 力 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80282135)
三股 浩光 大分大学, 医学部, 教授 (60219714)
成田 伸太郎 秋田大学, 医学部, 講師 (40396552)
南條 博 秋田大学, 医学部, 准教授 (70250892)
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キーワード | 腎細胞癌 / 分子標的薬 / Xp転座型腎細胞癌 / 紡錘型腎細胞癌 / TFE3 / FISH |
研究概要 |
・腎細胞癌の淡明細胞型、乳頭状などの一般的な病理組織型をもつ腎細胞癌の遺伝的異常、分子病態については多くの知見が得られてきており、淡明細胞型ではVEGF、mTOR経路などを標的とする分子標的薬が臨床応用されるに至っている。いっぽう、ようやく認知されつつある若年者にしばしば見られるXp転座型腎癌や極めて予後不良の紡錘細胞癌(肉腫様癌)の分子病態はいまだ不明な点が多く、標的分子は未知である。 ・本研究は腎癌の中でも希少であるが若年や予後不良などの特徴を有する社会的インパクトの大きいXp転座型、紡錘細胞癌の臨床病理データを多施設より集計し、病理病態を解明するとともに、wholeゲノムレベルの解析を進め、病態解析とともに治療標的分子同定を試みる。 ・Xp転座型に関しては多施設研究として、症例を集め、1987年7月から2009年12月までに、手術または生検を行ったRCCの症例で組織標本が入手可能であった280例に対してTFE3抗体(Santa Cruz sc5958)を用いてパラフィン包埋された組織切片よりIHCを行い12例(4.3%)の陽性例を見出しており、またTFE3遺伝子の5´―と3´-のFISH用プローブを同定し、TFE3 split-FISHを確立し、TFE3陽性の多くの例にXp11.2転座があることを確認した。症例をさらに追加して免疫染色とFISHの両方を行い、臨床情報や分子標的薬の反応性を解析し、発表した。 ・またXp転座型腎癌の細胞株は特に貴重であるため、Xp転座型腎癌が確定している転移病変から細胞株樹立を試みている。 ・いっぽう、Xp転座が確定している既存の手術摘出標本からmRNAを抽出し、遺伝子発現プロフィールの構築を試みており、このデータから標的分子の同定を試みる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Xp転座型に関してはすでに我々は多施設研究として、症例を集めつつあり、また、私たちは、既に1987年7月から2009年12月までに、手術または生検を行ったRCCの症例で組織標本が入手可能であった280例に対してTFE3抗体(Santa Cruz sc5958)を用いてパラフィン包埋された組織切片よりIHCを行い12例(4.3%)の陽性例を見出しており、またTFE3遺伝子の5´―と3´-のFISH用プローブを同定し、TFE3 split fluorescence in situ hybridization assay (split-FISH)を確立し、TFE3陽性の多くの例にXp11.2転座があることを確認している。今後も免疫染色とFISHの解析を進めるともに、Xp転座型腎癌の細胞株は特に貴重であるため、Xp転座型腎癌が確定している転移病変から細胞株樹立を試みている。 いっぽう、Xp転座が確定している既存の手術摘出標本からmRNAを抽出し、遺伝子発現プロフィールの構築を試みており、このデータから標的分子の同定を試みる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
①TFE3抗体(Santa Cruz sc5958)を用いてパラフィン包埋された組織切片よりIHCを続行する。 ②陽性例に関しては、TFE3 split fluorescence in situ hybridization assay (split-FISH)にて転座を確認する。③:①と②で確定された症例の臨床像を解析し、既存治療の反応性や予後を解析する。 ④Xp転座が確実な例の摘出標本からmRNAを抽出し、遺伝子発現プロフィールを構築する。既存の淡明細胞癌の発現プロフィールと比較し、共通の発現亢進や発現低下した遺伝子を同定する。これらから治療標的分子となりえる遺伝子(蛋白)を探索する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1)FISHの施行にあたる、プローブ作成、蛍光染色のキットなどの費用 2)遺伝子発現プロフィール解析のための、アレイ解析委託費 3)免疫染色キットと抗体購入費 なお、最終年度の研究に使用したいため、次年度使用額が生じた。
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