研究課題
・腎細胞癌の淡明細胞型、乳頭状などの一般的な病理組織型をもつ腎細胞癌の遺伝的異常、分子病態については多くの知見が得られてきており、淡明細胞型ではVEGF、mTOR経路などを標的とする分子標的薬が臨床応用されるに至っている。いっぽう、ようやく認知されつつある若年者にしばしば見られるXp転座型腎癌や極めて予後不良の紡錘細胞癌(肉腫様癌)の分子病態はいまだ不明な点が多く、標的分子は未知である。・本研究は腎癌の中でも希少であるが若年や予後不良などの特徴を有する社会的インパクトの大きいXp転座型を多施設より集計し、病理病態を解明するとともに、wholeゲノムレベルの解析を進め、病態解析とともに治療標的分子同定を試みる。・Xp転座型に関しては多施設研究として、症例を集め、1987年7月から2009年12月までに、手術または生検を行ったRCCの症例で組織標本が入手可能であった280例に対してTFE3抗体(Santa Cruz sc5958)を用いてパラフィン包埋された組織切片よりIHCを行い12例(4.3%)の陽性例を見出しており、またTFE3遺伝子の5´―と3´-のFISH用プローブを同定し、TFE3 split-FISHを確立し、TFE3陽性の多くの例にXp11.2転座があることを確認した。症例をさらに追加して免疫染色とFISHの両方を行い、臨床情報や分子標的薬の反応性を解析し、発表した。・またXp転座型腎癌の細胞株は特に貴重であるため、Xp転座型腎癌が確定している転移病変から細胞株樹立を試みている。・いっぽう、Xp転座が確定している既存の手術摘出標本からmRNAを抽出し、遺伝子発現プロフィールの構築を試みており、このデータから標的分子の同定を試みている。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
BMC Urology
巻: 14 ページ: 26
10.1186/1471-2490-14-26
J Urology
巻: 191 ページ: 805 - 813
10.1016/j.juro.2013.10.052
Anticancer Drugs
巻: 24(3) ページ: 310-4
http://www.med.akita-u.ac.jp/~hinyoki/