顎骨の形成は、骨の粗鬆化の起こる高齢者において重要であり、また特に無歯顎等メカニカルストレスとの関わりも含めてそのメカニズムを明らかにし、新しい促進への分子機構の解明を行うことが重要である。本研究においては、陽イオンチャネルであるTRPV4の顎骨におけるメカニカルストレス応答性に着目し検討を行った。その結果、顎骨においてTRPV4の欠失は骨密度の低下を特異的に起こすことが明らかになり、また、TRPV4は骨芽細胞の分化と共にその発現が上昇しこれに伴うカルシウムオシレーションがTRPV4のアゴニストによって促進されることが明らかになった。さらに、顎骨の重要な特性である咬合に伴うメカニカルストレスについて検討を行い、液流動がTRPV4依存性にカルシウムオシレーションを高めることが明らかになった。以上の結果、顎骨の形成促進における分子機構の一端が解明された。
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