研究課題/領域番号 |
23659904
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
築山 能大 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (10236870)
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研究分担者 |
吉浦 敬 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40322747)
中村 泰彦 九州大学, 大学病院, 診療放射線技師長 (00380494)
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (50195872)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | fMRI / 線維筋痛症 / 筋筋膜痛 / 慢性疼痛 / 疼痛過敏 |
研究概要 |
本研究は、線維筋痛症に代表される難治性慢性疼痛障害患者における中枢神経系の疼痛過敏関与部位(疼痛の下行抑制系の障害等)をfMRIを用いて視覚的にとらえ、本疾患の病態および発症メカニズム解明の突破口を開くことを目的とする。平成23年度は、本格的な研究実施に先だって健常者を対象に介入条件(口腔スプリントの非装着および装着)下でのfMRI撮影を行い、データ収集および解析法の整備を行った。その結果、介入条件下でのfMRI撮影およびデータの収集が可能であることを確認した。その後、実際に被験者候補を対象として臨床診察をもとにスクリーニングを行った。スクリーニングの結果、健常者2名、線維筋痛症患者1名、重度筋筋膜痛患者1名をリクルートした。これらの被験者を対象に、顎機能障害の検査、疼痛障害の検査[咀嚼筋の疼痛(VAS)、筋圧痛スコア等]、社会心理学的因子の測定(GHQ60健康調査票、POMS短縮版)を行った後、fMRI検査を施行した。fMRI検査には、Philips社製3.0-Tesla whole-body MRI scanner(TR=3000ms, TE=35ms, flip angle=90°, the field of view=200 mm, matrix size=80×80 pixels, voxel size = 2.5 mm × 2.5 mm × 2.5 mm, slice thick- ness=2.5 mm, gap=1 mm)を用いて全脳をターゲットとした。現在、健常者、線維筋痛症患者および重度筋筋膜痛患者それぞれについて、顎機能障害、疼痛障害、および社会心理学的因子の検査結果を整理するとともに、fMRI検査のデータについて個人解析を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定では、平成23年度は、健常者5名、線維筋痛症患者5名(米国リウマチ学会線維筋痛症分類基準に基づく)、重度筋筋膜痛患者5名(米国口腔顔面痛学会分類基準に基づく)を対象にデータ収集を行う予定であったが、被験者のリクルートにやや遅れが生じている。本研究では強い慢性疼痛を呈している患者を対象としており、適格条件に見合う被験者の収集および同意を得るのが比較的困難であることがその要因と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
適格条件に見合う被験者の収集につとめ、さらに被験者の同意を得るための説明を懇切丁寧に行い、被験者数の増加を図る。また、介入手技や測定精度の維持、ならびにデータ解析方法の向上を図る。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度へ324,624円を繰り越したが、適格条件に見合う被験者の収集および同意を得るのが比較的困難であり、被験者のリクルートにやや遅れが生じているためと考えられる。上述のように、適格条件に見合う被験者の収集につとめ、さらに被験者の同意を得るための説明を懇切丁寧に行い、被験者数の増加を図る。また、介入手技や測定精度の維持、ならびにデータ解析方法の向上を図りつつ、交付申請書に記載したとおりの研究遂行を目指す。
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