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2012 年度 実施状況報告書

乳児の離乳に関する母親の意識と実態―食は人をつくる根源―

研究課題

研究課題/領域番号 23660054
研究機関弘前大学

研究代表者

五十嵐 世津子  弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (40250625)

キーワード離乳
研究概要

本研究の目的は、乳児の離乳に関する母親の意識と実態を明らかにすることである。1つめの研究目的として、1年目は基礎的研究と位置づけ、昭和初期に聞き取り調査を行い文献集としてまとめられた「日本産育習俗資料集成」から食に関する記述を抜き出し整理を行いデータベース化した。そこから先人たちの乳児の食や離乳に関する考えを考察した。その結果、妊娠中の母親の食は、直接的に胎児への健康に影響を及ぼし、さらに、出産後も子どもの成長に呪術的な要素もあることが理解された。
2つめの研究目的は、実際にどのような離乳食が市販されているか、また、その種類、調理法、カロリー、謳い文句等を明らかにすることである。そこで、2年目は、今日インターネットで販売されている離乳食について調査・分析し一覧表を作成した。その結果、約600種類ほどの離乳食が販売され、商品の多くは、食の安全、商品の特徴などが記載されていた。現在、これをもとに今年度に実施するアンケートの内容を精選している。
3つめの研究目的について、上記1と2の研究から得られた内容を基礎とし、「離乳」は乳児の「補完食」という概念で捉える必要があり、この視点で、子育て中の母親の離乳についての意識調査を行う。具体的には、実際の離乳状況や市販の離乳食について、母親の意識状況や栄養成分を調査する。また今年度、近い将来に親になると考えられる若者を対象として、新生児や乳児の栄養に関する意識を高めるために、乳児の食についての意識調査を実施し明らかにする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年までの研究目的に対する達成度について、「③やや遅れている」と思われる。本研究は3つの研究目的を柱としている。1つ目の先人たちの「妊娠や胎児・児」に対しての食に対する思いを知ることは、「日本産育習俗資料集成」の分析を行うことで達成されたと考えられる。具体的には妊婦の毎日の食事には、忌避される食物が数多くあり、それらは胎児に悪影響を及ぼすと考えられていた。今後、さらに詳細な分析を加える予定である。2つ目は、現在販売されている離乳食に関する調査である。これは、現在、インターネットで販売中の離乳食商品を抽出し月数別のデータベースを作成した。加えて、大まかな分析を行った。現在約600種類ほどの商品が販売されており、乳児の月数毎に品数、安全面、食物のこだわりなどを分類した結果、乳児の月数や食品によって特徴が見受けられた。今後、詳細な分析を行って行く予定である。最後3つ目は、これをもとに離乳食に関するアンケートを、若者や子育て中の母親に対して実施する予定である。しかしながら本調査は2年度目に実施する予定であったが、現在、調査項目の作成に時間を要している。このためやや遅れていると考えられる。また、市販されている離乳食商品や母親が作った離乳食の栄養成分の分析も予定しているので、次年度は、スピーディーに実施する。

今後の研究の推進方策

次年度は最終年度であり、離乳に関する調査を実施する予定である。これまで行った「日本産育習俗資料集成」の分析から得られた要素や、インターネットで紹介されている離乳食のデータベース化から得られた内容をもとに調査項目を選定し調査用紙を作成し、若者や子育て中の母親に対して実施する。調査用紙作成や実施依頼等を速やかに行う。
加えて、市販されている離乳食商品や母親が作った離乳食の栄養成分の分析を行うが、これに関する分析は、栄養学の専門家のアドバイスを得て行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度は、これまでの研究結果をもとに、調査項目を選定し、実際に乳児の食に関する調査を実施する予定である。従って、アンケートの作成と印刷、依頼先への送付のための郵送費や通信費、実施後のデータ入力、分析をするためのソフト類が必要である。さらに、データ入力を行う研究協力者への謝金等も経費として計上する。
また、次年度は、将来、親になるであろう若者や子育て中の母親にたいしても、市販の離乳食の試食を行い、食へのあり方や市販離乳製品に対する意識を調査する予定である。従って、市販の離乳食の購入や、栄養成分を測定するための機器の購入、分析用ソフトが必要である。これらの調査協力者への交通費や謝金、通信費等、研究成果をまとめるにあたって情報を得るための学会参加費や交通費も必要と考える。

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公開日: 2014-07-24  

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