東北アジア地域における金属器の拡散・受容の過程は、従来は文明の中心から周辺への緩やかな広がりの過程として解釈されていた。しかし、新たな年代決定の方法により、この地域における金属器の拡散は従来考えられていたよりもはるかに短い時間の間に起こっていたことが明らかになった。これにともない、各小地域においてどのような在地社会の変化があったのかについても大きく見直した。考古遺物の編年の再構成にとどまらず、金属器文化の接近にともなって各小地域に特有な石製品や装身具が登場したことを明らかし、同様の文化現象が西北ヨーロッパにも見られることを指摘した。
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