本研究は,離散凸性をもつ様々な組合せ最適化問題に対し,その離散凸性を活かしたアルゴリズムを設計した. (1) マッチング森問題,および,最短双有向森問題に対し,その離散凸性を証明した.この離散凸性に注目した既存のアルゴリズムの単純化や高速化,あるいは新たな組合せ的アルゴリズム設計を行った. (2) 各頂点に接続する辺数が3のグラフにおいて,数種のハミルトン閉路に近い辺集合を求めるアルゴリズムを設計した.離散凸性の一つであるカット関数の劣モジュラ性などに注目することにより,NP 困難であるハミルトン閉路問題の緩和問題に対して高速なアルゴリズムを設計したものである.
|