脳機能計測の手法(MEG(脳磁図)およびfMRI)を用いて、高次意図の産出メカニズムについて検討した。その結果、アイロニー(皮肉)産出時に内側前頭前野および右側頭葉前部でアルファ帯域(8-13Hz)のパワーが減少すること、発話産出時のポライトネスの考慮(対人配慮)には扁桃体および眼窩前頭皮質が関与することを明らかにした。これらの領域は、文脈処理や心の理論、感情情報の処理に関与するとされる領域であり、アイロニー産出に感情や社会的スキルが関係することを示唆する質問紙実験・心理行動実験の結果とも整合的な結果が得られた。
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