本研究では典型的なオーバーヘッドスポーツであるテニスサーブと投球における肩甲上腕関節の動きの実態調査を行い,両種目において観察される特徴を比較した.上肢が最も後方に捻られた瞬間や,それ以前のバックスイング局面において,体幹に対する上腕骨の動きは類似しているにもかかわらず,テニスサーブは投球に比べて,上肢が最も後方に捻られた瞬間やバックスイング局面における肩甲上腕関節の水平外転角が小さいことが明らかになった.また,体幹に対する上腕骨の動きが類似しているにもかかわらず肩甲上腕関節の動きが異なるのは,肩甲骨の内外方傾斜の動きが異なることによるものであった.
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