本研究において、ナノ細孔性炭素材料を用いて高圧有機化学合成反応である、銅フタロシアニン合成反応およびtrans-1,2-シクロヘキサンジオール合成反応が実験室レベル・常圧下で進行していることを実証した。本研究のナノ細孔中の高い吸着ポテンシャルを利用した液相中における擬高圧有機化学合成反応は、外圧が常圧下でもナノ細孔中で進行するため、従来のように、高圧有機化学合成反応のためにオートクレーブなどを用いて反応条件を高圧・高温に設定する必要が無く、学術的のみならず産業的にも非常に価値が高い研究成果が得られたと考えている。
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