本研究の一番大きな成果は、大英博物館の日本コレクションの草創期である19世紀後半から、コレクションが盤石なものと変容を遂げていく約100年間の日本関連の展覧会図録の調査を通して、大英博物館の学芸員たちの日本美術に対する理解の変遷の過程が明らかになったことである。 19世紀後半のコレクターの主観が反映されたやや偏った日本美術理解が、日本から直接情報が入ってくるようになったことで徐々にその誤差が少なくなり、現代の漫画や伝統工芸の展示などを通して、大英博物館独自の日本理解を示すようになる過程を追うことができた。
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