本研究は、幼年期以降に第2言語(L2)学習を始めた成人の「L2使用圏での滞在経験の有無」と日常生活における「母語(L1)の使用量」がL2音声の「聞き分け」と「発話」能力にいかに反映するかを調べるものである。研究の方法として、研究代表者である金(2010)が行った一連の先行実験を新たな被験者データをもとに再検証する形をとっている。具体的には(1)Flege(1995)の「L2音声学習モデル」を理論的基盤とし実験調査を行い(2)「発話模倣能力」がL2音声習得にどう寄与するか、理論と実証の両面で明らかにする。本研究の実験に用いる対象言語は日本語で、被験者は中国語と韓国語をL1とする成人学習者である。
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