本研究は、コアをボトムアップ式の言語習得概念に基づき英語教育に応用した際の影響を、実証的に明らかにしようとしたものである。 本研究で行った英語前置詞を使った三回の実験により、①コア図式と例文の提示の順序そのものを変えただけでは、直後の意味理解に顕著な差は与えないこと、②ボトムアップ式のコア導入法として協同学習方式を取り入れ、例文を先に与えグループ間でコアを考えさせる教授法をとった場合と、コアの提示から先に行い、後に例文を与えイメージ化をはかるトップダウン式の教授法の間で、全体としては顕著な差は見られないが、個々の用法ではイメージ化が促進され、より深い定着が期待できる可能性が示唆された。
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