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2014 年度 実施状況報告書

隋唐期における墓誌史料の研究基盤情報の整理と分析

研究課題

研究課題/領域番号 23720348
研究機関早稲田大学

研究代表者

福島 恵  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 研究員 (10523764)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2016-03-31
キーワード中国隋唐史 / 墓誌 / 中国
研究実績の概要

本研究は、墓誌史料の研究基盤となる情報の整理とその傾向分析を行い、資料の基礎的性格を解明することを目的とする。中国の隋唐時代、死者とともに埋葬され、死者の功績とその血統などを数百の漢字で石刻した墓誌は、現在、当該時代の研究には不可欠な史料である。ただし、墓誌はたった1件でもその豊富な内容から研究価値を有すること、そして墓誌の件数が膨大であることから、これまで数量的な研究がされず、資料の基礎的性格があやふやなままであった。そこで、本研究では墓誌史料を数量的に扱い、研究基盤となる情報の整理とその傾向分析を行う。2014年度の研究実績は以下の通りである。
(1)隋・唐時代の墓誌史料の研究基盤情報の整理とその傾向分析
『隋唐五代墓誌彙編』(全30冊、天津古籍出版社、1991-1992年)に掲載される全4755件の墓誌史料の研究基盤情報(卒年・葬年・出土地・サイズなど)の入力を完成させた。昨年度までに『隋代墓誌銘彙編附考』(1-6、線装書局、2007年)に掲載される全521件の研究基盤情報の入力も完了しているので、あわせて傾向分析を開始している。
(2)ソグド人墓誌との比較および網羅的傾向分析の継続
ソグド人墓誌の網羅的収集とその墓誌内容と本文との電子データ化は、計画通りこれまでに継続して行うことができた。この成果として、中国銀川で開催された国際学会「粟特人在中国:考古発現与出土文献的新印証”」にて「絲綢之路青海道上的粟特人-从看“康令惲墓志”〓州西平康氏一族-」を報告した。
なお、本研究の総合的な成果の一部として、展覧会「中国文字博物館 漢字展-中国古代文明の歴史を探る-」(7月15-25日、於東京中国文化センター)にて、墓誌の拓本の展示に協力し、また「墓誌史料とソグド人」と題して関連講演を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究の初年度である2011年度に妊娠・出産・産休し、そしてその後の育児のため、研究の予定に遅れが出てしまった。
特に「(1)隋・唐時代の墓誌史料の研究基盤情報の整理とその傾向分析」の部分が遅れてしまった。これまでに『隋代墓誌銘彙編附考』と『隋唐五代墓誌彙編』の全5276件のデータベース化が完了したが、このデータとその傾向分析の成果をあわせた成果報告書を公開するに至っていない。

今後の研究の推進方策

以下のように、本研究の成果を公開する予定である。
(1)隋・唐時代の墓誌史料の研究基盤情報の整理とその傾向分析
すでにデータベース化が完了した『隋代墓誌銘彙編附考』と『隋唐五代墓誌彙編』の全5276件ののデータとその傾向分析の成果をあわせた成果報告書として公開する。
(2)ソグド人墓誌との比較および網羅的傾向分析の継続
ソグド人墓誌との比較した考察を成果報告書にあわせて掲載する。

次年度使用額が生じた理由

本研究の初年度である2011年度に妊娠に、年度末に出産(産休)、そしてその後の育児のため研究の予定が全体的に遅れてしまった。特に未使用額が発生したのは以下の部分である。
(1)隋・唐時代の墓誌史料の研究基盤情報の整理とその傾向分析:これまでに『隋代墓誌銘彙編附考』と『隋唐五代墓誌彙編』のデータベース化が終了した。このデータをその傾向分析の結果をあわせて成果報告書として公開するに至らなかった。

次年度使用額の使用計画

第一に本研究の成果を公開するために報告書の印刷・製本の費用が必要である。また、この編集作業のための研究補助者の協力も必要である。さらに近年、現地中国から墓誌史料の拓本を集成した書籍の出版が相次いでおり、ここで初公開となるものも多い。これらを購入して可能な限り最新情報を獲得したい。なお、中国への現地調査および京大への拓本調査は、上述の優先すべき経費の使用状況と研究の進捗状況を勘案して実施したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 長安・洛陽のソグド人2014

    • 著者名/発表者名
      福島恵
    • 雑誌名

      ソグド人と東ユーラシアの文化交渉

      巻: アジア遊学175 ページ: 140-160

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 絲綢之路青海道上的粟特人―从看“康令惲墓”〓州西平康氏一族―2014

    • 著者名/発表者名
      福島恵
    • 学会等名
      第2届絲綢之路国際学術討論会“粟特人在中国:考古発現与出土文献的新印証”
    • 発表場所
      中国寧夏銀川柏悦酒店
    • 年月日
      2014-08-13
    • 招待講演
  • [学会発表] シルクロード青海の道上のソグド人―「康令惲墓誌」を中心に2014

    • 著者名/発表者名
      福島恵
    • 学会等名
      第7回東アジア石刻研究会
    • 発表場所
      明治大学
    • 年月日
      2014-07-26

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公開日: 2016-06-01  

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