研究概要 |
東ティモール民主共和国コバリマ県およびエルメラ県における現地調査(8月、約2週間)、そして文献調査を実施した。東ティモールの共通語であり公用語でもあるテトゥン語は、インドネシア領西ティモールでも話者が多く、またカトリック信者も西ティモール側に多い。また東ティモールにおける西部は、西ティモールの王権の中心であるウェハリとの結びつきが強いことを確認し、以上の点から国境をまたいで存在する「テトゥン=カトリック=ウェハリ文化圏」が確度の高い仮説であることを明らかにした。最終年度として以下の成果物を公表した。 【雑誌論文】 福武慎太郎「[総特集にあたって]グローバル・スタディーズ:地域研究の地殻変動」『地域研究』(査読有)vol.14,no.1、2014年3月15日、8-32頁。 【図書】福武慎太郎・堀場明子編『現場<フィールド>からの平和構築論』勁草書房、2013年9月10日、全196頁。福武慎太郎「序章 現場<フィールド>からの平和構築論─「ひと」の力を活かす平和のインテリジェンス構築に向けて」1-19頁(堀場明子との共著)。福武慎太郎「第5章 市民と議員が平和をつくる─東ティモール自決権行使を求める国際的連帯を事例に」(田中(坂部)由佳子との共著)、113-136頁。辰巳慎太郎「東ティモールの非暴力思想<ナヘビティ>」小田博志・関雄二編『平和の人類学』法律文化社、2014年3月15日、95-117頁。辰巳慎太郎「難民と十字架:ティモール島における宗教と言語の位相からみた国境問題」杉本良男編『キリスト教文明とナショナリズム─人類学的比較研究』風響社、2014年3月31日。
|