2000年代の自民党総裁選出過程には、国会議員の派閥だけではなく、一般の党員が参加するようになった。本研究の主要な目的は、(1) こうした変化をもたらすメカニズムと、(2) その変化の帰結を明らかにすることである。研究の結果、(1) 小選挙区制の導入による党首イメージの重要化と全党的な党首選出に対する関心の増大、中選挙区制の廃止に伴う系列関係を通じた組織動員の衰退によって党員投票の通例化がもたらされたこと、(2) より若く、当選回数が少なく、選挙区としては都市部よりの候補者が増えてきており、彼らは派閥のリーダーですらない場合が多いことがわかった。
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