錐特異点を1点だけ許容するトーラスと区間の直積として得られる3次元錐多様体が許容する錐双曲構造に関し,よい基本多面体の存在という幾何的条件と,BQ条件という代数的性質が一致するであろうという予想(秋吉・山下予想)の解決を目指した.(1)考察の対象を実表現に限定すると,秋吉・山下予想が肯定的に解決された.(2)よい基本多面体から誘導される錐双曲構造に関し,閉曲線の測地線としての実現可能性に関する結果とその長さの評価を得た.(3)標準的な接球近傍を持つ完備錐双曲構造に対するフォード領域を定義し,本研究で考察しているよい基本多面体がフォード領域であることを示した.
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