高次元小標本における新しい理論と方法論を構築した.高次元小標本ならではの特徴的な2つの幾何学的構造を発見し,これらの幾何学的構造に基づいて,新しいPCA手法である「ノイズ掃き出し法」を提案した.高次元の推測に現れる各種パラメータに対して,計算コストを著しく削減し,漸近分散が小さな不偏推定量を与える「拡張クロスデータ行列法」という推定法を提案した.高次元データの判別分析について,母集団間のユークリッド距離に基づく判別方式と幾何学的差異を利用した判別方式を提案し,それらが誤判別確率に関して高い精度を保証することを示した.さらに,誤判別確率に対して要求される精度を保証するような判別方式も与えた.
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