本研究は、超対称性理論におけるアフレック・ダイン場と呼ばれるスカラー場により、宇宙の物質・反物質非対称や暗黒物質の生成、および、宇宙の大規模構造の種となる密度揺らぎの形成を解明することを目指した。特に、ゲージ場媒介の超対称性の破れの理論において、暗黒物質が最も軽い超対称性粒子であるグラビティーノ、または、Qボールになり、同時に宇宙のバリオン数を説明できるシナリオを提示した。一方、アフレック・ダイン場による新たな高スケールインフレーションの模型を構築し、密度ゆらぎの生成と宇宙のバリオン数を同時に説明した。
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