本研究では、高い酸化物イオン-電子混合導電性を示すSrFeO3-dを取り上げ、単結晶/粉末中性子回折、X線回折を行い、結晶構造および酸素欠損構造を調べた。SrFeO3-dは、これまで報告のある結晶対称性よりも低い単斜晶であることを明らかにした。さらに、高温(600, 800℃)になるにつれ、酸素欠損は特定の酸素サイトに優先的に生じることを見出した。一方で、Sr3Fe2O7-d板状粒子を用いたテンプレート粒子成長法によって、SrFeO3-dのc軸方向へ配向したセラミックス試料を作製した。この配向試料の酸素透過速度を、800℃にて測定した結果、無配向試料に比べ、高い値を示すことが分かった。
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