本研究は、放牧牛乳由来脂質(放牧牛乳クリーム)を原料とし、均質化の有無および数種類の乳酸菌スターターによる培養により、共役リノール酸の強化および風味への影響を検討することを目的とした。ホモジナイズ処理をしない場合、培養6時間でチーズ用乳酸菌が有意に共役リノール酸を増加させた。また、ホモジナイズ処理をした場合、ラクトバチルス・ヘルベチカス菌を添加したものが有意に増加した。さらに両処理ともにプロバイオティクス菌を添加したものは、有意な低下が確認された。原料として放牧牛乳クリームを用いることで、共役リノール酸がホモジナイズ処理の有無やいくつかの乳酸菌との組み合わせにより強化される可能性が示唆された。
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