本研究では、実験室での医薬品の大気中飛散モデル実験及び、実際の薬局での室内大気中の医薬品粉じん濃度測定を行った。さらに、医薬品粉じんによる曝露を低減する方法についていくつか検討を行った。加えて、薬剤師に対するアンケート調査において、医薬品汚染の現状、懸念など、医療現場での実態や意見を収集した。モデル実験及び薬局における粉じん濃度測定の両方において、散剤調剤時や錠剤粉砕時に医薬品粉じんが大気中に飛散していることが判明した。また、それによる曝露が室内の換気や加湿器の使用、マスク着用によって低減できることが示唆された。アンケート調査の結果からは、日常の調剤業務において医薬品曝露を意識している薬剤師が60%以上存在することも明らかになっており、今後医薬品汚染を軽減するための対策の必要性を提示した。
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