生きた動物の大脳皮質体性感覚野(S1)のグリア細胞機能を、二光子励起レーザー顕微鏡を用いて径日的に解析し、神経障害性疼痛の分子病態に果たすグリア細胞の役割を検討した。坐骨神経結紮術(SNL)により、(1) S1アストロサイトの機能が亢進すること(自発的細胞内Ca2+振動の陽性細胞数増加及び頻度上昇)、(2) S1アストロサイトで受容体Xの再発現が起こること、(3)神経障害性疼痛が(1)及び(2)に依存的であること、が明らかとなった。S1アストロサイトの活動亢進とそれに続く細胞イベントが、神経障害性疼痛の分子病態や慢性化と関連していることが示唆された。
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