脂質結合蛋白質STARD10は心房特異的にL型Ca2+チャネルに結合している。心房のカルシウムチャネルシグナロソーム制御を明らかにするため、野生型とSTARD10ノックアウトマウスの心房筋組織標本および単離心筋細胞を解析した。ノックアウトマウスの心房筋組織標本は野生型に比べ、伸展刺激に対し拍動数を増加し収縮張力の発達は減少した。またその心房細胞のCaV1.2型のL型Ca2+チャネル電流の密度と不活性化に対する細胞内Ca2+感受性は増大した。これらの結果よりSTARD10はL型Ca2+チャネルのCa2+感受性を抑制的に制御し、その結果心房の伸展刺激への反応性を制御する可能性が示された。
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