MMPは細胞外基質の分解により、細胞分化や増殖、遊走などの様々な生理機能を持つ酵素である。一方で、マクロファージから分泌されるMMPの亢進は、動脈硬化の発生に関与することが指摘されており、特にゼラチンの高い分解能を有しているMMP-9の高発現は動脈硬化の発生だけでなくプラークの破綻にも重要な役割を果たしている可能性が明らかにされた。しかし、今までこの仮説を証明できるモデル動物が存在せず、MMP-9を標的とする治療薬の開発も行われなかった。今回の研究では、マクロファージ特異的に発現するMMP-9・Tgウサギを作製し、動脈硬化の形成及びプラーク破綻におけるMMP-9の役割を検討することを計画した。
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