正常甲状腺組織の免疫染色では、立方~高円柱状の形状をとる濾胞上皮(活性化濾胞上皮)にSNX2陽性、扁平な濾胞上皮(非活性化濾胞上皮)の多くでSNX2陰性であり、甲状腺機能亢進状態であるバセドウ病、機能性結節症はびまん性にSNX2陽性であった。ラット正常甲状腺濾胞上皮細胞を用いた検討では、甲状腺刺激ホルモン投与により細胞が大型化し、SNX2蛋白の発現が増加することを確認した。甲状腺悪性腫瘍組織(乳頭癌)の免疫染色では、全例でSNX2陽性であった。以上より、SNX2活性は活性化甲状腺濾胞上皮細胞を示唆する新たなマーカーと考えられ、悪性腫瘍においても濾胞上皮の活性化を反映していると示唆された。
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