致死的な出血熱であるラッサ熱にはいまだ有効なワクチンがない。本研究では安全性が高く、細胞性免疫を強く惹起する非増殖性ラブドウイルスベクターが有効な手段となりうるかについて、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)のモデル系を用いて個体レベルの解析を行った。確立済みのP遺伝子欠損非増殖型狂犬病ウイルスベクターの系を用いて、LCMVの主要抗原遺伝子GPCを発現する組換えウイルス⊿P-GPCを作出した。⊿P-GPCがGPCを発現していることを蛍光抗体法およびウェスタンブロッティングにより確認した。マウスを用いた致死的感染防御試験において、⊿P-GPCは80%の防御効果を示した。
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