研究概要 |
申請者は, 腸管関連リンパ組織(GALT)の樹状細胞(DC)では構成的に オートファジーが誘導されていること, また同機構の誘導には腸内常在菌の細胞内捕捉が重要 であることを明らかにした. 腸炎モデルの検討から, DC オートファジーを欠如するマウスでは, 腸炎回復期における粘膜組織の再生遅延が観察された. またこの遅延は, DC オートファジー不 全による DC 内常在菌数の増加に伴う IL-6 および TNF-〓の生産レベルの増加, ならびに DC による IL-23 の生産レベルの減少および IL-23 依存性に誘導される, 組織修復を促す IL-22 の 大腸組織からの生産レベルの減少によることが判明した. これらの結果から, GALT DC の構成 的オートファジーは定常状態では腸内常在菌の刺激依存性に誘導されること, 炎症状態では回 復時の粘膜治癒機構に深い関わりがあることが明らかとなった.
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