研究課題
<線維芽細胞の炎症性サイトカイン産生能におけるTRIM21の役割> マウスEGFP-TRIM21融合蛋白をNIH3T3細胞株に高発現させると,EGFP-TRIM21の発現量依存的に内在性TRAF6の発現量が低下した.免疫沈降法ではV5-p62の量依存的にEGFP-TRIM21とTRAF6の共沈を認めた.TRIM21がp62の存在下でTRAF6をユビキチン化することを明らかにした.<TRIM68の機能解析> TRIM68 cDNAを用いてEGFP-TRIM68融合蛋白発現ベクターを作製し,Flag-IRF融合蛋白発現ベクターとともにHEK293細胞株に高発現して免疫沈降法を行った結果,IRF3およびIRF8とTRIM68の相互作用が示唆された.EGFP-TRIM68を高発現したNIH3T3細胞ではコントロールと比較してpolyI:C刺激によるIFN-βの誘導が抑制された.TRIM68がIRF3およびIRF8をユビキチン化することを明らかにした.<SLE・SSの病態でのTRIM21の役割> SLE・SS患者,および健常者からPBMCを採取してqPCR法を行った結果,SLE群およびSS群では健常者群と比較してTRIM21 の発現が有意に高かった.SLE群でIRF7,SS群でIRF3,IRF5,IRF7の発現量が健常者群と比べて有意に高かった.I型IFN誘導遺伝子群の発現量もSLE群およびSS群では健常者群と比較して有意に高かった.I型IFNのmRNA発現量はむしろSLE群およびSS群で有意に低かった.健常者ではTRIM21のmRNA発現とI型IFNのmRNAの発現量は逆相関していたが,SLE患者では関連がみられなかった.SLE患者においてIRF群のユビキチン化が抑制されていた.Trim21-/-マウスのSLEモデルマウス(MRL/lpr)へのバックグラウンド転換は8世代の交配が終了しており,今後表現型解析を行う予定である.
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