ゲノムにおけるコピー数多型(CNV)が自閉症のリスクに関与していることは、複数の研究から示唆されているが、日本人を対象とする調査はなされていない。本研究では、日本人自閉症者サンプルのゲノムワイドなCNV解析を行い、もって自閉症の病態解明に寄与することを目的としている。 平成24年までに、250トリオサンプル(自閉症当事者とその両親からのサンプル)を収集した。自閉症の診断はDSM-IV-TRの診断基準に従いADI-Rを用いて行った。Affymetrix Genome-Wide Human SNP Nsp/Sty 6.0 アレイを用い、150トリオサンプルの解析を終了した。その結果、12個の新規CNVを見いだした。これら12個のうち、これまでに報告のないあらたな8個の自閉症感受性遺伝子候補が示唆された。 今後、解析をすすめ、全250トリオサンプルのCNV解析を終了させる方針であるが、そのためにはさらなる費用が必要になると見込まれる。
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