左肺全摘術により末梢血中に動員された骨髄由来細胞(BMC)が創部に集積し、術後早期の創面積の縮小・創間距離の短縮に寄与したことがわかった。そのメカニズムとしては、BMCが筋線維芽細胞や血管内皮細胞に分化した可能性が考えられる。また、左肺全摘後の残存肺に集積した骨髄由来細胞は、肺胞上皮細胞、血管内皮に分化する、もしくは骨髄由来細胞によるパラクライン効果により、肺組織再生に寄与していることが推測される結果であった。また、代償性肺成長肺には肺損傷の機序が存在することが推測され、骨髄由来細胞は代償性肺成長時の残存肺に集積し組織修復に関与している可能性も考えられた。
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