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2011 年度 実施状況報告書

Th17細胞系蛋白が前眼部慢性炎症・感染において果たす役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23792011
研究機関日本大学

研究代表者

山田 愛  日本大学, 医学部, 助教 (30535191)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードIL-17 / IL-6 / CCL20 / 前眼部炎症
研究概要

本研究の目的は、前眼部の感染防御と炎症におけるインターロイキン(IL)-17産生T(Th17)細胞系蛋白の役割について解明することである。Th17細胞はヘルパーT細胞のサブセットであり、Th17細胞から産生されたIL-17は、その感染防御機能に加え、自己免疫疾患で炎症を増悪させる因子として注目されている。前眼部の炎症性疾患、感染性疾患についてIL-17に着目し、網羅的に検討された研究報告は未だ少ない。今年度は、特に炎症と感染という広範な病態においてその作用を発揮するTh17に関連する蛋白、すなわちTh17細胞から分泌されるIL-17、およびIL-17によって標的細胞から分泌される様々な蛋白{炎症性サイトカイン(IL-6)、ケモカイン(CCL20, IL-8)、抗菌ペプチド(β-defensin2)}に注目した。 本研究では、前眼部炎症におけるTh17に関連する蛋白の検討を、培養角膜上皮細胞、慢性炎症モデルマウスを用いて行っている。最初に、ヒト培養角膜上皮細胞におけるIL-17R発現をreal-time RT-PCRにより確認することができた。また、培養角膜上皮細胞では、IL-17およびTNF-α刺激によって炎症性サイトカイン・ケモカインの発現が上昇することが上皮細胞のreal-time RT-PCRで明らかになった。一方、β-defensin2の発現上昇は認められなかった。慢性炎症モデルとして、角膜にアルカリを浸漬した濾紙を暴露させて作成したアルカリ外傷眼で急性炎症が鎮静化した外傷後1ヶ月を経過したマウス角膜を用いて検討を行っている。現在実験結果の解析途中であるが、抗マウスIL-6R抗体の局所投与によって角膜実質におけるIL-23 mRNA発現が低下することが示された。これらの結果は、前眼部の慢性炎症の病態にTh17細胞系蛋白が重要な役割を果たしていることを示唆する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

慢性前眼部炎症に関する培養角膜上皮細胞、マウスモデルを使用しての実験は、概ね順調である。感染についての研究は平成24年度以降で完成させたいと考えており、現在準備中であるが、当初の計画通りである。臨床検体の結果は現在集積されているところであり、平成24年度以降も計測、分析予定である。

今後の研究の推進方策

細菌細胞外毒素による培養角膜細胞の刺激実験、感染性角膜潰瘍モデルを用いた前眼部感染におけるTh17に関連する蛋白の検討を施行する予定である。前眼部感染・炎症症例(感染性角膜潰瘍、非感染性角膜潰瘍、アレルギー性角結膜疾患、Stevens-Johnson症候群、Sjögren症候群)の臨床涙液検体についても網羅的に解析を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

マウスの購入費用、抑制実験で使用する抗マウスIL-17抗体、real-time RT-PCR 、ELISA、免疫組織化学的検討を行う際の試薬購入費用にあてる予定である。

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公開日: 2013-07-10  

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