当該研究では拡散強調 MR 画像評価法の一つである intravoxel incoherent motion (IVIM)解析を用いて、拡散灌流 MR ファントムおよび健常ホランティアでの拡散・灌流現象評価法の検討を行った。ファントムでは送液流量の増加は灌流現象の変化として捉えることができたが、健常ホランティアでは良好な結果は得られなかった。日常臨床の拡散強調 MR 画像での IVIM 解析による頭頸部腫瘍の良悪性鑑別に対する有用性について見かけの拡散係数(ADC 値)との比較も含め、検討した。IVIM 解析は良悪性鑑別に有用であると考えられたが、その正診率は ADC 値による診断能に及ばなかった。 しかしながら、ADC 値と IVIM 解析の組み合わせにより診断能が向上する可能性があるという結果が得られた。
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