コラーゲンスポンジは構造安定化のため化学架橋としてGAを用いることが多いが,残留した未反応のGAの生体為害性が懸念される.そこで本研究では同等の架橋作用が期待されるEDCにて化学架橋を施し,濃度,架橋時間を変化させて架橋状態を比較検討したところ,EDC架橋は有用である結果が得られた. また,アルギン酸が多価金属と架橋してゲル化する性質に注目し,Ca,Fe架橋にて作製したフィルムから,物理的強度の課題は残るものの,低分子量体で作製されたフィルムの有用性が確認された.適切な分子量の架橋性高分子を選択することにより,フィルム製剤として薬剤徐放スピードの制御が可能になる技術に応用できると考えられる.
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