歯周病により破壊された歯周組織を再生させる歯周組織再生療法において、再生に適した状態へ宿主細胞群・移植細胞群を効率的に制御する視点が重要と考えられる。本研究では、The mammalian target of rapamycin (mTOR)を軸とした歯周組織再生に適した状態へ細胞を制御する分子生物学的基盤を確立することを目的とした。結果、ヒトセメント芽細胞(HCEM)においてはBMP-2が誘導する骨芽細胞様分化をFK506がFKBP12を介してsmad経路のリン酸化を亢進し分化制御を行っている可能性が示唆された。また、ヒト歯肉線維芽細胞由来iPS細胞(hGFiPS)に対して各種mTOR抑制剤を添加培養したところ、コロニー形成や分化マーカーの遺伝子発現に変化が認められmTOR経路が分化制御を担っている可能性が示唆された。
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