研究課題/領域番号 |
23792631
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研究機関 | 静岡県立静岡がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
津村 明美 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (90595969)
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キーワード | がん看護学 |
研究概要 |
平成25年度は悪性脳腫瘍患者・家族の情報支援ツールの開発に向けて、悪性脳腫瘍患者のQOLの実態調査をこれまでの研究計画に追加して実施した。 平成24年度までに行った悪性脳腫瘍患者・家族の情報ニーズの明確化を目的とした文献レビューと患者・家族へのインタビュー調査から、悪性脳腫瘍患者・家族の情報ニーズとして、「疾患」「治療」「予測される成り行き」「予測される症状として脳機能低下による生活への影響」「日常のケア方法」「神経症状のマネージメント方法」に関するニーズが高いという結果が得られた。 悪性脳腫瘍患者・家族に対する効果的な情報支援を考えていくためには、悪性脳腫瘍患者・家族の情報ニーズとQOLの関連を明らかにすることが、さらに必要となると考えたが、我が国における悪性脳腫瘍患者のQOLに関する知見は十分とはいえない現状であることが、文献レビューをすすめていく上で明らかになった。そのため、平成25年度は、悪性脳腫瘍患者のQOLの実態を明らかにするための調査に着手した。がん専門病院に外来通院中の悪性脳腫瘍患者(主には神経膠腫と悪性リンパ腫の患者)を対象にEORTC QLQ-30とEORTC QLQ-BN30尺度を用いてのデータ収集を実施した。 平成26年度は、これらのデータ分析とその結果に基づいて、悪性脳腫瘍患者とその家族も対象とした情報ニーズとQOLの関連を明確にするための質問紙調査を実施し、QOL向上につながる情報支援ツールの素案を作成したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
悪性脳腫瘍患者・家族のQOL向上につながる効果的な情報支援を開発するためには、悪性脳腫瘍患者・家族の情報ニーズとQOLの関連を明らかにすることが必要となると考えた。 しかしながら、我が国における悪性脳腫瘍患者のQOLの実態そのものが明らかになっていない現状があることがわかった。 そのため、悪性脳腫瘍患者・家族の情報支援ツールの開発に向けて、悪性脳腫瘍患者のQOLの実態調査をこれまでの研究計画に追加して実施した。これらの実施のために、当初の計画以上に時間を要してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、平成25年度に実施した悪性脳腫瘍患者のQOLの実態調査のデータ分析を行う。さらに、がん専門病院に外来通院中の悪性脳腫瘍患者(主には神経膠腫と悪性リンパ腫の患者)と家族(主介護者)を対象に情報ニーズとQOLの関連を明確にするための質問紙調査を実施し、そのデータ収集および分析から、情報支援ツールの素案を作成したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は悪性脳腫瘍患者・家族の情報支援ツールの開発に向けて、悪性脳腫瘍患者のQOLの実態調査をこれまでの研究計画に追加して実施した。当初の予定とは異なり、研究計画の遂行に変更が生じたため、次年度使用額が生じた。 次年度の研究費の使用計画としては、質問紙調査のための郵送費用、情報支援ツール作成のための材料および印刷費、研究成果の公表のための学会参加や論文作成にかかる費用などが主な支出経費である。
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