本申請課題では、3年間をかけて、精神科看護師、精神障害の当事者、家族それぞれの捉える「リカバリー(回復)」についてインタビュー調査により探求した。 精神科看護師、精神障害者本人・家族それぞれの捉えるリカバリーは多様であり、それぞれの体験や他者との相互行為、学習によって形成されていた。看護師の多くは患者の姿や、長期間にわたる変化の学習から、治癒と対照して捉えていた。精神障害者本人の語りでは、リカバリーは、自身の病的体験や価値観と他の当事者や医療者とのかかわり等から形成されていた。精神障害者家族の語りでは、長期にわたる障害者本人の変化の観察や他の家族、医療者とのかかわり等から形成されていた。
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