研究概要 |
本研究の目的は施設で生活している高齢者の死生の在り様を明らかにすることである.研究参加者は施設で生活している高齢者 8 名で,平均年齢 87 歳,平均要介護度 3.5 であった.データ収集は半構成的面接で行い,生活の中で感じている死や生について自由に語ってもらった.分析は逐語録を作成後,死や生について語られている箇所を抽出し,類似したものでまとめカテゴリー化した.倫理的配慮は,まず研究参加者に寄り添い生活のリズムを把握した.そして,生活のリズムを壊さないよう自然な流れで面接を行った.施設で生活している高齢者の死生の在り様は, 【思いどうりにいかない人生の苦にさいなまれる】ことで,【今までの生き方を省みる】ということをしていた.また,【拠りどころとのかかわりに支えられ,癒される】なかで,【存在価値,生きる意味・目的を見出す】ことに向かっていることが明らかになった.
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