本研究の目的は、組織が高い経営成果を達成するために必要となる、組織内における上司-部下間の情報伝達を促進・阻害する要因を探求することである。 本研究では、研究目的の達成のために、包括的な質問票調査を行い、(1)情報伝達の程度、(2)伝達される情報の内容、(3)情報伝達の促進・阻害要因、を中心にデータを収集した。分析結果からは、(1)情報伝達の程度は、伝達情報の内容に大きく依存すること、(2)促進・阻害要因としては、上司の態度や職場の雰囲気が非常に重要であり、特に部下の学習・成長を促進するようなリーダーシップをとる上司に対して、部下からの情報伝達程度が高い、といった知見が得られた。
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