物体認識における左右大脳半球機能についての認知神経科学的研究

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23830074
• 研究種目: 研究活動スタート支援
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 実験心理学
• 研究機関: 帝京大学
• 研究代表者: 實吉 綾子 帝京大学, 文学部, 助教 (90459389)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2012
• キーワード: 物体認識 / 左右大脳半球機能差 / 実験心理学 / 認知神経科学 / 空間周波数

研究概要

物体の定性的情報と定量的情報に基づく内的表象形成のプロセスについて研究を行った。定性的、定量的情報に対してそれぞれ高、低空間周波数成分が重要な役割を果たすこと、また、各情報処理に対する左右大脳半球機能差が、異なる空間周波数成分への処理優位性に由来する可能性が示唆された。さらに視覚情報の異なる空間周波数成分の抽出に視覚的注意が大きな役割を果たしている可能性が示された。これらの研究から、物体の内的表象がその形成段階から観察者の目的、要求に応じて柔軟に変化することが示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Iconic memory and parietofrontal network: fMRI study using temporal integration (2011)
  • 著者名/発表者名: Saneyoshi, A. , Niimi, R., Suetsugu, T., Kaminaga, T. and Yokosawa, K
  • 雑誌名: Neurorepor 巻: 22(11) ページ: 515-519
  • DOI: DOI:10.1097/WNR.0b013e328348aa0c
  • 査読あり
• [雑誌論文] Parietal and frontal object areas underlie perception of object orientation in depth (2011)
  • 著者名/発表者名: Niimi, R., Saneyoshi, A. Abe, A., T., Kaminaga, T. and Yokosawa, K
  • 雑誌名: Neuroscience Letters 巻: 496 ページ: 35-39
  • DOI: DOI:10.1016/j.neulet.2011.03.081
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effects of the global and local attention on the processing of categorical and coordinate spatial relations (2011)
  • 著者名/発表者名: Michimata, C, Saneyoshi, A, Okubo, M. And Laeng, B
  • 雑誌名: Brain and Cognition 巻: 77(2) ページ: 9-17
  • DOI: DOI:10.1016/j.bandc.2011.07.008
  • 査読あり
• [学会発表] 物体の定性的情報と定量的情報の認識に関わる視線運動の検討 (2012)
  • 著者名/発表者名: 実吉綾子
  • 学会等名: 日本基礎心理学会第31回大会
  • 発表場所: 九州大学
  • 年月日: 20121100
• [学会発表] エビングハウス錯視に左右の配置が及ぼす影響について (2012)
  • 著者名/発表者名: 実吉綾子
  • 学会等名: 日本心理学会第76回大会
  • 発表場所: 専修大学
  • 年月日: 20120900
• [学会発表] The role of low spatial frequencies in the hemispheric processing for metric properties of objects (2012)
  • 著者名/発表者名: Saneyoshi, Ayako and Michimata, C
  • 学会等名: European Conference on Visual Perception
  • 発表場所: アルゲロ, イタリア
  • 年月日: 20120900
• [学会発表] 物体認識における脳部位間結合の左右大脳半球機能差についての検討 (2011)
  • 著者名/発表者名: 実吉綾子
  • 学会等名: 日本基礎心理学会第30回大会
  • 発表場所: 慶應義塾大学
  • 年月日: 20111200