平成 23 年度に行った研究は二つある。一つは、調和ポテンシャルを伴う非線形楕円型方程式の特異解を調べた。ここで、非線形項はべき剰型で、そのべきの指数はソボレフ超臨界のものを考える。既に特異解の存在は分かっていたが、その特異解のプロファイルを用いて、一意性を示すことが出来た。もう一つは、ソボレフ臨界指数を含む非線形シュレディンガー方程式を調べた。具体的には、まず、基底状態が存在を示した。その基底状態を用いて H^{1}の部分集合を 2 つ定義し、一方から出発した解は、(有限又は無限時間)で爆発し、他方から出発した解は散乱することを示した。 平成 24 年度は、一般の非線形項における非線形シュレディンガー方程式の散乱問題を考えた。ここでは、方程式に対応するある汎関数を導入し、それが全ての H^{1}の元に対して非負となるような非線形項を考えた。このとき、他の幾つかの条件の下で、全ての初期値に対して、散乱することが分かった。
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