研究実績の概要 |
当該研究は、「信愛に基づいた美的経験(bhakti-rasa)」の概念に焦点を当て、その歴史的発展の課程を明らかにすることを主眼としている。 ・2021年に立ち上げたラサ論研究会を今年度も継続し、前期はボージャ著Sarasvatikanthabharana第5章を、後期は同著者によるSrngaraprakasa第1章冒頭部、11章冒頭部を読み進めた。当該箇所に関しては適宜英訳を作成している。また、23年6月に上智大学において対面のワークショップを開催し、石井裕氏(拓殖大学)と柴優人氏(広島大学)にDhananjaya著Dasarupaka第4章とそれに対するDhanika註Avaloka、そしてVidyadharaによるEkavali第2章をそれぞれ講読していただいた。 ・9月半ばから12月末までインドのコルカタ、シャンティニケタン、ブリンダーヴァンを訪問し、以下の図書館、研究機関で写本調査を実施した:アジア協会、Bangiya Sahitya Parisat, カルカッタ大学、タゴール国際大学(Visvabharati), Vrindavan Research Institute. 調査した写本はヴォーパデーヴァ著『真珠』・へーマードリ註『解脱灯』、ヴォーパデーヴァ著『神的遊戯』・へーマードリ註『神的遊戯考』、マーラーダラ・バス(グナラージ・カーン)著『クリシュナの勝利』などである。 ・オックスフォード大学のRembert Lutjeharms博士との共編書を出版した:The Building of Vrndavana: Architecture, Theology, and Practice in an Early Modern Pilgrimage Town, Brill's Indological Library, Vol. 57 (Leiden: Brill)
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