• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

日本語学習者のシャドーイング遂行能力の評価

研究課題

研究課題/領域番号 23K00609
研究機関長崎大学

研究代表者

古本 裕美  長崎大学, 留学生教育・支援センター, 准教授 (80536326)

研究分担者 迫田 久美子  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 名誉教授 (80284131)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
キーワードシャドーイング / 評価 / 日本語学習者 / 国際研究者交流
研究実績の概要

外国語のインプットとアウトプットが限られる海外やコロナ禍といった環境では,それらが保証される「シャドーイング(shadowing)」という練習法が外国語学習者の運用能力を養成するのに有効である。しかし,日本語教育の分野では,日本語学習者のシャドーイング音声を効果的かつ効率的に測定・評価する方法が確立されていない。そういった現状を踏まえ,国内外の日本語教育関連の研究者計12名が連携して調査と実験を行い,信頼性と教授・学習効果が高い評価法を開発することを本研究の目的とする。2023年度は,主に以下の2つを行った。

(1) 日本語シャドーイング教材の出版:本研究にかかわる12名全員が監修者または著者となり,日本語学習用のシャドーイング教材を出版した。この教材には,本研究の調査と実験で使用するモデル音声が収録されている。また,学習者が自分自身のシャドーイングを評価するときに使用するシートと教師が学習者のシャドーイングを評価するときに使用するシート,そして評価する際の観点についての記述も含まれている。本教材を出版した後には,授業へのシャドーイング導入例やシャドーイングを評価・フィードバックする方法などを紹介するセミナーを出版社主催と下記の日本語シャドーイング研究会とで行った。

(2) 日本語シャドーイング研究会の開催:研究発表会を1回と講演会を1回,それぞれオンラインで行い,計7か国から延べ45名が参加した。講演会での招聘者は門田修平氏(関西学院大学・教授)であり,題目は「第二言語の学習・教育における認知脳・社会脳シャドーイング」であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度末に日本語シャドーイングの評価項目と評価基準を探索するための調査を行う計画であったが,調査協力を依頼するネイティブ日本語教師,ノンネイティブ日本語教師,日本語学習者をそれぞれ十分な人数で見つけ出すことができなかった。そのため,計画よりも「やや遅れている」と判断した。

今後の研究の推進方策

2024年度は,まず,2023年度末から始める予定であった調査を進める。シャドーイング評価を依頼する日本語学習者を見つけ出すことが最も難しい点であるが,依頼する範囲を広げて探すことで,調査を確実に進める。

次年度使用額が生じた理由

2023年度末に行う予定であった調査を進めることができなかったため,未使用額が生じた。この未使用額は,2024年度に繰り越して行う調査で使用する物品(ヘッドホンとマイク)費と調査協力者への謝金,そして成果発表時に必要な旅費としてそれぞれ充てられる計画である。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 7件、 招待講演 8件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] 白石文化大学校/釜山外国語大学校/サイバー韓国外国語大学校(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      白石文化大学校/釜山外国語大学校/サイバー韓国外国語大学校
  • [国際共同研究] オークランド大学(ニュージーランド)

    • 国名
      ニュージーランド
    • 外国機関名
      オークランド大学
  • [国際共同研究] タマサート大学(タイ)

    • 国名
      タイ
    • 外国機関名
      タマサート大学
  • [国際共同研究] ラオス国立大学(ラオス)

    • 国名
      ラオス
    • 外国機関名
      ラオス国立大学
  • [国際共同研究] アリゾナ州立大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      アリゾナ州立大学
  • [国際共同研究]

    • 他の国数
      2
  • [雑誌論文] シャドーイングで伸びる力とそのメカニズム―第二言語習得と心理学の観点から―2023

    • 著者名/発表者名
      古本裕美
    • 雑誌名

      日本語学

      巻: 42(3) ページ: 4-14

  • [学会発表] 学習者コーパスに観る習得研究の面白さ―誤用の原因から母語や環境の影響まで―2024

    • 著者名/発表者名
      迫田久美子
    • 学会等名
      上海外国語大学日本文化経済学院(中国)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 中等から高等教育へ繋ぐ日本語教育―運用能力を築くには―2023

    • 著者名/発表者名
      迫田久美子
    • 学会等名
      韓国日本語教育学会(韓国)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 日本語教師の使命と役割を考える―コーパスに見つける学習者の文法―2023

    • 著者名/発表者名
      迫田久美子
    • 学会等名
      慶尚大学校(韓国)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 学習者コーパスが語る誤用の原因ー教師と学習者の文法の違いー2023

    • 著者名/発表者名
      迫田久美子
    • 学会等名
      日本語教育・日本語学研究国際大会(中国)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 日本語教師の使命と役割―「学習者はなぜ間違うのか」を理解する―2023

    • 著者名/発表者名
      迫田久美子
    • 学会等名
      中国全土教員研修(中国)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] ICT利用によるカスタマイズの日本語教育2023

    • 著者名/発表者名
      迫田久美子
    • 学会等名
      中国日本語教育研究会年次大会(中国)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 日本語教師の使命と役割を考える―コーパスが語る学習者の文法―2023

    • 著者名/発表者名
      迫田久美子
    • 学会等名
      秋田国際教養大学
    • 招待講演
  • [学会発表] 学習者コーパスに見る言語使用のバリエーション―考える時間は正確さを高めるか―2023

    • 著者名/発表者名
      迫田久美子
    • 学会等名
      上海大学外国語学院(中国)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] シャドーイング もっと話せる日本語(初~中級編)英語・中国語・ベトナム語訳付き2023

    • 著者名/発表者名
      迫田久美子(監修)・古本裕美(編著)・シャドーイング教材作成チーム(著)
    • 総ページ数
      160
    • 出版者
      くろしお出版
    • ISBN
      978-4-87424-952-9

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi