研究実績の概要 |
本研究は,学習者にフィードバックを与える際に,評価者トレーニングを行うことによって,学習者にフィードバックの活用可能性を促すかを検証することを目的としている。本年度の目標は評価者トレーニングの効果に関する先行研究の収集を行い、メタ分析に使用するデータを準備することであった。 1年目となる令和5年度は,まず,研究論文に関する様々なデータベースや検索エンジンを用いて評価者トレーニングに関する先行研究を網羅的に収集するための検索キーワードを決定した。その過程でメタ分析の方法論に関する先行研究や,自己評価の効果に関するメタ分析を行った先行研究(e.g., Li & Zhang, 2021; Ross, 1998)の精査を行った。その際,従来のメタ分析の方法論における課題を指摘している先行研究(e.g., Norouzian & Bui, 2023)を踏まえて,2年目以降に先行研究のメタ分析を行うにあたっては,その時点でのメタ分析の方法論に関する先行研究の動向を注視する必要性を確認した。次に,これらの検索キーワードに基づいて先行研究の収集に着手し,並行して収集した先行研究の質評価の手続きや,統計データのコーディングの方法についても検討を進めた。メタ分析に使用するデータセットを完成するまでには至らなかったが、研究代表者と一緒に先行研究の質評価を行う予定の評価者と意見交換を行うことによって、先行研究の収集後にスムーズにデータセットを完成させられるような体制を整えた。
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