研究課題/領域番号 |
23K00990
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
山崎 孝史 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (10230400)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 暴力 / 民衆 / 米軍基地 / 琉球 / 政治地理学 |
研究実績の概要 |
本年度は、当初計画通り、米軍による女性の身体管理と性暴力に関連する、沖縄県公文書館が保有するUSCAR文書(原文書は米国国立公文書館保管),琉球政府文書,そして県紙(沖縄タイムス,琉球新報など)から,基地周辺での歓楽街の形成と性病管理の実態,そして性暴力報道を照らし合わせ,性暴力発生の時空間構造とともに,女性性労働者が日常的にいかなる「暴力」にさらされていたかを明らかにするための、資料収集を行った。 年度当初はこれまで米国国立公文書館や沖縄県公文書館で収集済みであった資料の検討を中心に進めたが、沖縄県への渡航を23年11月と24年2月の2回実施し、今年度の研究計画に関する資料収集(沖縄市総務部企画課市史編集担当)と聞き取り調査(沖縄島内)を実施てきた。さらに23年12月にオルタナティブ地理学東アジア地域会議(香港中文大学、香港)において研究成果の発表、24年3月に日本地理学会春季大会(青山学院大学、東京)において関連研究発表(中島弘二発表)の座長を担い、24年4月の全米地理学者協会年次大会(ハワイ・コンベンション・センター、ホノルル)での研究発表に向けて準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
年度当初は手元に収集済みの資料の検討を中心に進め、科研費の執行が若干遅れたが、23年11月と24年2月に沖縄県内での資料収集と聞き取り、23年12月に国際会議での研究発表、24年3月に国内学会での座長担当、24年4月の国際会議発表準備などを行い、ほぼ順調に研究を実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
24年4月後半で全米地理学者協会年次大会(ハワイ・コンベンション・センター、ホノルル)での研究発表を済ませたあと、今年度(研究期間:2024年2月~11月)は琉球警察によるデモ隊阻止をテーマに、沖縄県公文書館におけるUSCAR文書や県紙報道,さらに沖縄県立図書館が所蔵する教職員会や沖縄県警の文献をもとに,教公二法に反対するデモ隊が流入する議事堂前にどのように機動隊が配備され,デモ隊とどう衝突し,警備の失敗はその後の機動隊編成にどう影響したかを明らかにする。本科研の中心的テーマと、昨年度の研究成果を公表するために24年8月に国際地理学連合政治地理委員会プレ会議(ベルファスト)および国際地理学会議(ダブリン)に参加するほか、関連国内学会でも研究発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの感染拡大の影響を受けて、受給年度を23年度まで1年間延長した科研費と本科研費を重複受給していたため、本科研費の執行額が予定よりも若干下回った。しかし、本年度の予定執行額の範囲内で、2024年4月の国際会議参加旅費を執行予定であり、使途を調整して年度別の支給額に応じた執行を適切に進めていく予定である。
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