研究課題/領域番号 |
23K01365
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
中村 和敏 九州産業大学, 経済学部, 准教授 (40304084)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | インドネシア / 労働市場 |
研究実績の概要 |
2023年度は、主として本研究に関連する文献のサーベイ、資料収集、学会での研究発表、そして論文の執筆・投稿を行った。文献サーベイでは、特に本研究で用いる統計的手法であるBlinder=Oaxaca分解について、理論面と実証面における研究を調査し、近年の研究動向について確認を行った。 また文献サーベイの結果を踏まえながら、Blinder=Oaxaca分解の手法を用いた応用例として、中国の事例を取り上げ、戸籍により労働市場が分断されている状況を明らかにした。そして、地域農林経済学会の国際ワークショップ(The Association for Regional Agricultural and Forestry Economics, The 7th International Workshop)で研究報告し、そこで得られたコメントを基にして、第73回地域農林経済学会大会での研究発表も行った。現在、これらの研究報告をベースにした論文を投稿した結果、条件付き採択との判定が得られており、掲載に向けて改訂作業を行っている。 本研究のインドネシアにおける分析対象地域は、インドネシア国内の移住政策により、地元民と宗教の異なる移住民が多く、それが宗教紛争の背景となっている。そこで、インドネシア政府の移住政策に関する研究も実施し、ディスカッションペーパーとして発刊した。 資料収集は、インドネシア中央統計庁の統計調査の調査票を精査し、労働統計(Indonesian Labor Force Survey)と所得統計(ST2013 Survei Pendapatan Rumah Tangga Usaha Pertanian)の購入を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インドネシアにおける研究協力者とのスケジュール調整を試みたものの折り合わず、現地訪問は2024年度に延期することになった。また、インドネシア中央統計庁に、本研究で用いるデータの利用可能性について問い合わせることを試みたが、データ購入のシステムが長期のメンテナンス期間に入り、インドネシア中央統計庁のスタッフとのコミュニケーションが進まなかった。これらのことから、予定よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度の前半期においては、インドネシアのマルク州アンボン市で、研究協力者からの協力を得ながら、現地でヒアリング調査と資料収集を実施する予定である。その後、それらの成果を踏まえながら、統計分析を行っていく予定である。 秋季に開催される国内学会での研究発表を行うことを目指して、研究を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究協力者とのスケジュール調整が折り合わなかったため、予定していた現地調査を実施できなかった。このため、次年度使用額が生じた。 2023年度に実施できなかった現地調査は、本年9月に実施する予定である。また、追加でインドネシア中央統計庁から電子データを購入する予定である。
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